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kusakariさんの「しっかり透析」に対する熱い想いは理解できますし共有もしています。(たぶん)
私と異なる部分はそこに行きつくまでの方法論でしょうか。
一つの物事を成し遂げようとするときに 自分と同じ思想を持っていない相手に対して 言語を通じて強気で攻撃するのか、相手を理解しようとすることからはじめるのか。
私は後者の方が選択されるべきだと思います。
お名前がでてきたので書かせていただきますが、かもめCLの金田先生は(超)長時間透析を推進されており長時間透析研究会の会長職に就いておられます。
彼が私に示してくれる道は長時間透析を行っていない施設を何どきも批判しないことです。
学会や研究会などで少しだけ露出する機会の多くなった私に対する自戒のメッセージであると感謝しています。
私も金田先生に習い 長時間透析を広く普及させたいという意図があるからこそ、相手を理解しようとすることから始めます。
内心は「そんな透析を提供していちゃ駄目でしょう?」「いつやるの? 今でしょう!」と心の中で唱えながら眺めていることもありますが、一方でその施設の意外な頑張りや工夫に気が付くことを本当に数多く経験します。
実際に4〜5時間週3回透析だからこそ実践されて来た良い部分にたくさん感化され、そのideaを自施設の長時間透析に生かしたりしています。
言語を通じて強気で攻撃することは簡単です。
上手に一部の患者や 一部の医師を煽動し仲間にしてしまえば、少々過激でも それはインパクトのあるポジティブ・キャンペーンとなります。
しかし その方法では少なからず相手を傷つける可能性があります。
相手の聴こうとする耳さえも塞いでしまうことにもなりかねません。
結果的にはそれが最も不幸であると思うのです。
それは「しっかり透析」の普及を目指すわれわれにとっては 最大のネガティブ・キャンペーンだと感じます。
この掲示板が果たしている影響力は決して小さくはありません。
しかしごく一部の患者の耳を疑いたくなるような発言や、目を覆いたくなるようなコメントが羅列されることがあることも事実です。
影響力のある医師の軽はずみな発言や 不勉強な見解はSNSの世界では安易に浸透してしまいます。
その結果、ごくごく一部の患者自身の口から「透析が多くの雇用を生み出している。」、「自施設の医師やメディカルスタッフは何もわかっていない。」、「除水時間を延ばそうとすることが いちいち 院長の指示をもらうことなのか?」といった主旨の、身近な相手をリスペクトする気持ちのかけらさえも感じることができない 訳のわからない言葉の暴力が飛び出します。
そしてそれが容認されていきます。
さて、一連のこれらの流れは悪質な循環、負のスパイラルではないのでしょうか。
それもストックホルム症候群の範疇ではないのかな。
「差別反対さん」の発言も もともとは kusakariさんからの本来は意図していないコメントに端を発した流れです。
長時間透析や頻回透析、高血流透析、前希釈オンラインHDFにはまだまだ確固たるエビデンスはありません。
ですから それを信じて行っている もしくは行おうとしている医療者と患者には、より謙虚で慎重な姿勢が求められます。
また 限られた医療費の中で 平均的でない より良い医療の実現を望む者たちは 自身の発言や行動にもっと責任を持つべきだと思います。
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