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▼ひつじさん:
>それでも血圧低下が起こるような酢酸不耐症の患者さんが一部にいらっしゃって、
>カーボスターであれば、それが防げるなど、何か良い点があるからなのでしょうか。
そうです.それがなければやりませんよ.
数%で明らかな『酢酸が苦手な』患者群がいるし,
全く駄目な方も稀に居ます.
苦手の定義は難しいですし,之は科学的に証明できるのか?
以前,オンラインHDFでも血圧低下や,痒みが改善できない人(複数)にAFB(アセテートフリーバイオフィルとレーション)を施行した上での,臨床的判断で酢酸不耐症は有りうると思いました.
しかし,同じHDFでも,旧来の透析液とバイフィルもまた,違うものですから,これをもって本当にそう言えるのかというのも難しい話ですが,臨床的判断ではそう判断しました.
以前の透析液(キンダリーのCaを2.75程度に調整したものや最終的にはハイソルブFとDの混合)時代から透析液のCa濃度には最大の関心を持って治療してきました.
次いで,上の僅かな比率の酢酸不耐症と思われる患者群.
両方に対して,カーボスターは満足できる結果をもたらしました.
また,カーボスターに変更してから血圧の低下が見られる事が激減しました.逆に,血圧が上がると言っても良いでしょう.
ただ,所謂2号液から変更した場合には透析中にはCaを低いものに変更した様に,血圧低下が起きることも有るでしょう.
この血圧の変化も,酢酸がないからなのか,これも臨床レベルで証明は困難でしょう.
例えばキンダリー4号⇒カーボスター⇒キンダリー4号⇒カーボスターと,数ヶ月ごとにあるいは一年ごとに変更してみれば,分かるかもしれませんね.
再変更した施設もあるので今後発表されるでしょう.
酢酸不耐症はありうる. クエン酸不耐症は? 未だ知られていない.
カーボスターのCaは高すぎるのか? 短時間的には2.75程度の従前の透析液と同等.
中長期では? ホールボディカウンターのような機械で全身のCaの測定が出来て,経時的に見ない限り証明できない.
Caの負荷とは別に,全身の組織で石灰沈着がどんどん進むようならこれは中止せねばいけないでしょうが,今の所其れはないです.しかも,もしそうでもこれも他の因子が沢山あるし,透析期間やそれ以前の透析の状態も関係してくる.
不適切なビタミンDの使い方や(例えばパルス療法をだらだら続ける)とか,経口カルシウム製剤の大量負荷とか,そういうリスクもきちんと把握しなければいけません.
逆に,2.5mEq/LのCa濃度の透析液のリスクはより大きい.短時間的にも,恐らく長期間的にも問題です.
なので,今の判断では,セントラル方式でやる以上カーボスターが『ベター』な選択です.
ベストは,
クエン酸も酢酸も含まれて居ないものですけどね.全台個人機でAFBですかね.
>様々なリスク・不確定な要因を鑑みれば、よりベターな方法(?)を検討することも必要なのではと思いますが・・・
常に,そういう検討を行いながらやっていますけどね.ですから,他所にも批判のネタとして書き込んでいるとも言えます.
検討しているからこそ他人のご意見も受けられる様に活動しているわけですけど,ご理解いただけますか.
明らかに存在する(と思っている)酢酸不耐症の患者にとってまずい酢酸が, その他大勢の患者にとっても良くないのじゃないかとも,思っていますけど.どうでしょうか?
40年近く透析を受けてきて橈骨動脈の石灰化が減った方も居るんですよ.普通は有り得ない事です.
EPS後に腹膜の石灰化がとんでもない人も居ましたが,この人も減っています.
しかも,当院においても透析液の暴露量が多い方たちです.週20時間程度.
逆にシャントの石灰化が顕性になった人も居ます.注視している所です.
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