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7月16日は、島根県透析医会・中外製薬KK共催の勉強会
第11回透析医療の明日を考える会 が催され
日本大学腎臓高血圧内分泌内科 准教授の 岡田 一義 博士のご講演でした。
タイトルは
終末期における透析中止について
非常に感慨深いお話でした。
小生が下手にまとめるよりも
じんぞう病治療研究会 http://www.ckdjapan.com/
をご覧ください。
長文ですが、 事前指定書 のくだりを引用いたします。
尊厳生(そんげんい)
2001年、岡田一義は、終末期医療の中でも自分が考える人間としての尊厳を保ちつつ、自分らしく最期の時を生きる「尊厳生」という新しい概念を提唱しました。尊厳死と「尊厳生」の具体的な違いは、1.尊厳死は死の迎え方の選択ですが、「尊厳生」は最期の生き方の選択です。2.尊厳死は延命治療のすべてを自己決定できますが、「尊厳生」は水分補給を原則とし、延命治療の自己決定を行います。3.尊厳死は法的に認められていませんが、「尊厳生」の後にある死は法的に認められている自然死です。医師および看護師にアンケート調査を実施しましたところ、「尊厳生」はほとんどの初めて聞いた言葉であるにもかかわらず、「尊厳生」のほうを支持する医師および看護師を多く認めました。この結果は、終末期医療・ケアは「尊厳生」という立場で行うことが重要であることを意味しています。憲法で、すべての国民は個人として生きる権利を認められており、終末期にも自分が考える尊厳ある生き方を貫くということから始め、国民が事前指定書を尊厳維持のために必要であると認識できるようにすることが質の高い在宅医療および終末期医療を確立するために重要なステップです。
岡田一義は、2003年3月に「尊厳生」のための事前指定書の原案を作成し、中澤明子(せんねん村施設長)、犬飼直人(白楊会病院事務長)、押川真喜子(聖路加国際病院看護ステーション所長)とともに事前指定書(案)の内容を9回改訂し、2004年2月24日に現在の事前指定書が出来ました。「尊厳生」のための事前指定書に記載されたように延命治療を中止し、患者さんが死亡した場合、「延命治療中止」と死に因果関係が証明されると状況によって実行者は殺人罪に問われますが、日本においても質の高い在宅医療および終末期医療を「尊厳生」のための事前指定書によって普及させたいと思います。「尊厳生」のための事前指定書は、個々の延命治療について「希望する」、「希望しない」だけの意思表示ではなく、「親族の判断に任せたい」、「今は決められない」の意思表示もある上、作成者の希望を書く欄もあり、作成者の意思が反映されると考えています。
じんぞう病治療研究会は、「尊厳生」のための事前指定書をホームページに掲載し、毎年1月1日をJapan Decision Dayとし、すべての国民が家族と自己決定についても話し合う日になることを願っています。この日には、「尊厳生」のための事前指定書を見直すだけではなく、家族(自分・配偶者・親・兄弟・子供など)、生き方、死生観、宗教、環境、テロ、戦争、教育、政治、経済などあらゆることについても話し合っていただけることを願っています。
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