|
▼ヌーボーさん:
こちらこそ、はじめまして。
とても勉強されているのでドキっとしてしまいます。
>どんどん透析量を増やしていくと 不足するであろう 水溶性のビタミン カルニチン 葉酸
>等 の補充は? 濃度管理は? どのようにすればよいのでしょうか
>偏った食事をしないで しっかり食べましょう で対応
>現実的には 症状がでてきてから 補充する ということになると思います。
>うちの透析室では 希望すれば 6時間QB300まで上げることをしていますが リン カリウムを補充しなければならない透析量までは 上げることはしていません。
>がっちり食べれる患者さんなら 6時間QB300までは 透析後半 低リン 低カリウムになりますが 症状はでていないようです。たまに 神経症状で ビタメジンをもらいます。
小分子のlossが高効率透析の唯一の課題です。
ダイアライザーは高効率の「なんちゃって糸球体」なので
残念ながら尿細管の再吸収機能を代用できませんものね。
僕はまず
「透析に負けないくらいたくさん食べてもらって、食べた分だけ透析する」という発想で
長時間透析をすすめています。
アルブミンやGNRI、クレアチニン産生速度などのdataよりも、
心胸比と血圧とBMI(痩せていないか、肉がついているか、むくんでいないか)
を一番の目安にしています。痩せる透析はダメだと思っています。
極端に言えば、尿毒素がたくさんくっついたアルブミンなら多少抜いても良いのかもしれません。
(↑これはあくまで持論ですので、攻撃しないでください。)
nPCRや尿素産生速度は一応の目安にしています。
葉酸については貧血のコントーロールが悪く、大球性貧血を呈している場合にのみフォリアミンを処方しています。
どうせ低いだろうから葉酸の測定はしていません。
カルニチンは私の中でhotなネタです。とても興味があります。
じつは現在、自主研究の科研費を申請しているところで、あまり話せないのですが。。。
科研費が通れば(1検体6000円、保険適応なし)全員分を測定しようと思っています(話してしまいました。)。
カルニチンも透析患者さんは みんな低いだろうと思っています。
大塚製薬からエルカルチン錠が販売されていますが、これはとても高価です。
サプリメントとしての補給が望ましいと思いますが、まだ積極的には勧めておりません。
貧血や筋痙攣の方に補給で改善したという報告が 古い文献ですが いくつかあります。
>ビタミンC200mg ビタミンB群は 透析後毎に 注射してもらっています。
以前は鉄利用改善の目的でビタミンCを頻用していましたが、ぱったりやめました。
真実はわかりませんが「酸化ストレスを増加させる」との報告があります。
個人的には勉強不足で「酸化ストレス」ネタにはあまりピンと来ないのですが。。。
ただビタミンCをやめても、貧血が進行しないので、当院では今のところは不要と位置づけています。
濃度管理の件ですが、いずれも透析患者さんでは不足するものなので、
大量に投与しない限りは管理は不要ではないか?と思っています。
測定するとすれば 減量する目安ではなく増量する目安にはなるかもしれません。
しかし、測定はいずれも高額です。
>
>カーボスターは まだ使いませんし 5型も良いとわかっていても なかなか 変えようとはしません 患者さんからもっと その様な話をしてもらうと 医者も採用しやすいのですが 変革のスピードは 遅いですね。
当院はカーボスターです。
カーボスターにも一長一短があるものと自戒しながら使用しています。
元気な患者さんで5型についていける方ならば 5型がよいでしょうね。
当院では2型、4型、PMMA(4型)、積層型、on line HDFもたくさん居ります。
基本を長時間透析として、患者さんの状態に応じてダイアライザーの種類や血流量を変更しながら、対応しています。
私の注文がばらばらなのでCEが日々 泣いています。
以上、ヌーボーさんに乗せられて、
手の内をさらけ出してしまいました。
私の信条は上から読んでも下から読んでも「クスリはリスク」です。
いっぱい食べて、そのぶん透析して、できるだけ薬に頼らない方がよいと思っています。
患者さんからこんなレベルの高い質問を受けると
奮い立ってしまいますね。
|
|