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ティールームで紹介されている岡山の大会、長時間透析などに関心のある患者にとっては、とても有意義で、期待の出来るシンポジウムだと思っていますが、患者会にかかわる一人として、その治療が広まる(?)ために、いろいろと考える必要があると感じています。
5時間程度の透析であれば、ベッドのやり繰り等で対応可能なのだろうと思いますが、
3クールなどで運用しているような施設で、かつベッド数に対する患者数も飽和に近ければ、
患者は、長時間透析などを望むことは難しいでしょう。きっとそんな患者さんもいらっしゃると思います。
極論ですが、いまの新療報酬の体系の中で、だれもが長時間透析や隔日透析、オーバーナイトなどの恩恵を受けることは不可能だと思います。
例えば、患者全員が6時間〜8時間の透析治療を受けることは、当然ながら無理でしょう。
例えは良くないけれど、短い透析時間を希望する患者がいるから、ベッドの余裕があって、
時間延長などの恩恵を受けられる患者もいる。つまり他人の犠牲の上で成り立っている。
現実はこんな感じだと思います。
もちろん、Kusakari先生の施設をはじめ、長時間透析を推進している施設やオーバーナイトを実行している施設は、そもそもの考え方が異なるでしょうけれど、透析時間を伸ばすことに誰もが感心を抱き、誰もがそういった治療を受けたいと願う体制となったとき、透析医療はどういった方向に進むのでしょうか?
診療報酬が徐々に厳しくなる中で、誰もが長時間透析などを受けられる未来はあり得るのでしょうか? そこに向かって、我々は運動すべきなのでしょうか?
一方で、透析施設の閉鎖、スタッフ・医師不足による夜間透析中止など、都市部と地方ではまったく異なる医療状況の中で、1時間以上かけて、隣の町まで通院している患者もたくさんいます。
働く世代と高齢者の環境も異なりますが、透析時間を伸ばしたり、回数を増やすことが体によいことは、若い者も、高齢者も同じであって、そこに差を付けることは本質的にはあってはならないことでしょう。
4時間HDが標準的である中で、少しでも時間を伸ばすことがどれだけ身体に良いか、患者会の学習会や講演会などを行ってPRしていますが、誰もが、希望すればそんな治療を受けられる透析医療が出来るとも思えない中で、患者会として、どこを向いて行けば良いのか、最近、ちょっと悩んでおります。
なぜこんなことを思ったのか?というのは、今回の先生方3名の講演で、透析の未来が語られるとき、誰もが長時間透析を受けられる未来があるのか?、今まで通り、関心の高い人だけが、受けられる治療となるのか・・・
答えの出ない悩みではありますが、患者会という立場で物事を考えると、とても難しい問題です。
もちろん、個人主義的に考えれば、他人はほっといて、自分が良い治療を受けられれば良いのでしょうけれど・・・
なんだかとりとめのない話ですみません。
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