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▼希望さん:
導入を小院で行う事は稀なのですが,導入後一月以内に転入される方は割と居ます.
そういう方たちは,透析量を漸次増やしていき,概ね数ヶ月で元気だった頃の生活に戻れるケースが多いです.ただ,最近は高齢者の方が多くてなかなかのケースも有ります.
さて,
>『導入後2年間は調子が良い。、、』
これは,それなりにきっちりと透析をしていればという事で,何年たっても3時間透析では,透析は辛いという方も多いでしょう.
>逆に言うと『2年を過ぎると調子が悪くなる』らしいです。
確かに,そこそこの透析でも保存期よりも,尿毒素のピーク値は下がりますからそこそこの生活レベルは得られるでしょう.
しかし,しっかり透析を行っていなければ,透析導入後も保存期の延長の様な,保存期よりも少しマシな程度でしかなければ,年数とともに弊害が出てくるのは至極当然とも言えます.
>
>1つには尿量が減る時期と重なるとか、、、
この事も一つの因子でしょう.が,多くの方でもっと早期に尿量がほぼゼロになります.
意識的に尿量を維持しようとしている施設も有りますが,稀でしょう.
>個人差はあるとは感じますが、2〜3年後に峠が有るのでしょうか?
実は,導入後1年以内の死亡率は結構高いのです(感染症が多い気配).
それをとりあえず乗り越えた方も,上に書いたように,不充分な透析による合併症がボディーブローのように効いてくるのが2〜3年後という事になるのかもしれません.
例えば,60kg程度までの方なら,週三回でも,最初から5時間,血流300程度のHDもしくはHDFを行っていれば,2〜3年後の憂鬱と言うのは無いのかもしれません.
しかし,精神的な事を考えると,導入後は透析と生活を両立させる事に頑張ってきて,日々の生活の中で諦めていた事が,そうでもなかったり(失職の懸念が無くなったり)して,透析を肯定的に捉えられる時期かもしれません.
が,
2年3年すると,逆に,透析が無ければもっと違う人生,生活が送れる(透析が無ければ死ぬ事は考えずに)事を考え始める時期かもしれません.
いずれにしろ,導入早期から,可能な限りの透析量を稼ぐ事が大事ですね.
BUNの除去率が60%は, 全うな透析では有り得ませんし,透析治療が持つ本来の実力を全く発揮できません.
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