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某患者さんからの御相談メール.
カーボスターに変更してから透析中盤辺りで不整脈・動悸?を自覚する事が増えて,ECGでもホルターECGでも,確認できるとの事.ただ,危険な不整脈ではなく様子見.βブロッカーは投与されている.
文章からは,心室性期外収縮,二段脈か三段脈の様な不整脈を疑いました.
低カリウムではない様です.
さて,
あくまでも患者さんを診ていないうえで,考えた対策
1)カーボスターは,それ以外の透析液に比べて透析中に血圧が下がり難い.患者によっては血圧が上がる事も有る.血圧上昇と不整脈の関係は? 従来,血液透析中の血圧低下予防の為に血液透析前には降圧剤を中止,あるいは減量する事がまま必要とされたが,カーボスターでは中止,減量しない方が良い場合も多い.
そのあたりどうでしょう?
2)そもそも,不整脈と言っても色々あるので,どのタイプ?
3)Lカルニチン不足.
透析患者では大多数でLカルニチンが不足していますが,これにより不整脈が誘発されることは論文に多く書かれています.実際,当院でもLカルニチンの投与により抗不整脈剤を中止できたケースが複数あります.
4)透析液カルシウム濃度
以前の透析液のCa濃度が2.5mEq/Lで,それに合わせてビタミンDやカルシウム製剤を投与されていたら,カーボスターに替える事で高カルシウム血症になる懸念が有ります.
逆に,3mEq/LのCa濃度を使用していた場合には,カーボスターで以前よりも低くなる懸念が有りますが(それは正常に近づいたという事),
いずれにしろ,透析中に血清Ca濃度が大きく変動する事で血圧が変動したり不整脈の誘因となる懸念は有ります.
どうでしょうか?
5)また,日常的に適度な運動をされる方は不整脈が減りますので.
6)心的なストレスは不整脈の温床ですね.小生も短期間ですが,βブロッカーを飲みながら仕事をした事が有ります.
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