院長のひとりごと
・Dr.Kusakariのひとりごとです。
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あるおじさんの思い出
2005/10/19

里帰りの時に1−3週間当院をご利用してくださる方(男性・70台) の方がおられました。 本拠地は関東方面。 本当に良いおじさんで、ああいう風に歳を取りたいなと思うくらいの人でした。 少々プアな透析を受けているようで、お見えになる度に少しだけ元気になってお帰りになって貰っていました。 2回目からは当院で治療を受けるのが楽しみだと言って頂ける様になっていました。最後にお見えになったときは幾分か痩せて、栄養状態も悪化、食事も減っているようでした。

理由を伺いますと、担当医から『 動きすぎ』 を窘められたために野良仕事のような事をやめたそうで、その所為か食欲も落ちたと言う事でした。 畑仕事でもして、しっかり食べた方が良いですよと言ってお別れをしたのですが、それから3ヵ月後に逝ってしまいました。  直接の死因は述べませんが、体力の低下が引き金になった事は間違いありません。

病者から楽しみを奪うという事は死期を早めるという事を担当者はご存じなかったのでしょうかね。 残念です。

先日、奥さんとお子さん達が里帰りのついでにわざわざご挨拶に見えたのには恐縮してしまいました。 とても、雰囲気の良いご家族で、あの方ならこういう家庭が築けるだろうなと感じ入ってしまいました。

どこまで本気の話だったかはぞんじませんが、いつかは松江に永住して、当院で治療を受けようと思っていたそうです。 

お亡くなりになったのは、まことに残念ですが、そう言ってくれた人が一人でも居るということを大事にして行きたいと思っているところです。  

堀川カヌーツーリング
2005/10/02

お遊びで松江堀川カヌーツーリングに参加。 雨模様なので、ぬれても良いようにウェットスーツ姿。 スタートは先頭に居たのに、何故かくるくる回って後ろの集団に。 しかも、ウェットスーツは案外身体を拘束するので、陸上では動き難い事この上なし。 焦ったのか、強引な方向転換の再に、横転。 なんと、参加者中唯一の『沈』。 

カヌーの水出しに手間取りタイムアップ。 最終目標までいけずリターン。

体力が無いとバランスも...

最終まで行っていたら恐らく途中で力尽きていた事でしょう。 

中国腎不全研究会
2005/09/25

に行ってまいりました.
私と技士が一人ポスターで発表.ナース一人がシンポジウムで発表.ぱちぱち.

が,私の透析条件と透析効率の発表には殆ど質問なし. 毎度の事ですがね.

あと5年ほどして,生存率,入院しなかった率,等が出せるようにならないとどうもインパクトに欠けるみたいです.
それとも,端から,諦められている?

せっかくオンラインHDFをやっているのに,血流200でHDと比較している. 意味がない.

プロペラ機とジェット機を同じ速度で飛ばした時にどちらが燃費が良いか?等と言っているようなものか?
上手いたとえが出来ない.

ぜんじんきょうより
2005/08/17

ぜんじんきょう  2005/7/6号 基礎医学講座 より

この中で尿素窒素の目標の中で,

前値の目標が90以下
除去率60%以上     と有ります.

が,文中にはKt/Vを1.2-1.4以上を保つようにと有ります.

除去率60%ではKt/Vは1を超えることが出来ません.

Kt/Vを1.2以上にするためには概ね尿素窒素(BUN)の除去率で70%,
1.4では75%程度の除去量になります.

現在の知見ではKt/Vは1.8-2.0程度まで上げた方が生命予後が良いということになっています.
このためには,BUNの除去率は80%以上必要になります.

いずれにしても,ちぐはぐな事を書かれますと患者さんは困りますね.
 
プアな施設に配慮したのでしょうか?

AFB,あるいはAFBF
2005/07/20

さっちゃんがHDFでも切ない?という話を聞いてもしやと思いました. AFBは糖尿病や肝機能の弱い方に向いているという認識ですが, 超長期透析の方にも良いのでしょうか.アルコール代謝に個人差が大きい事から考えても酢酸を代謝する速度に個人差があっても不思議ではなく,透析困難症の方では一度は試してみる価値が有りそうです.

当院のアミロイド症,ASOバリバリ,26年選手では一回目は上手くいきませんでした. おそらく,効率が若干上がった事による,生みの痛みかと.

因みに,さっちゃんの場合は,普段の治療よりもかなり効率は上がっていたはずです.

写真はにっこりんと3ショット. 旦那を外しているのがミソ?

前希釈の治療設定
2005/07/15

現在の治療設定の平均値です(前希釈HDFのみ)

年齢区分,膜面積, DW, QB,  QB/DW, QS(l/hr),  治療時間,  年齢
70歳以上,  2.2 ,  50.9,  276.7,  5.5,  12.0,  239.0,  76.0
70歳未満,  2.2,  64.0,  322.2,  6.0,  11.9,  258.6,  54.6
60歳未満,  2.2,  67.5,  331.4,  6.2,  11.9,   260.2,   49.3
50歳未満,  2.1,  52.4,  343.8,  6.5,  11.8,  256.2,  42.7

7月のデータ
2005/07/15

今月の基本的検査データの平均値です.

BUN(前) 61.55 (後) 12.95
Cr(前) 10.69 (後) 2.96
UA(前) 7.71 (後) 1.41
Na(前) 139.8 (後) 139.2
K(前) 5.21 (後) 3.39
イオン化Ca (前) 1.19(後) 1.24 mmol/l
Ca(前)  8.96 (後)  9.13
IP(前)  5.25 (後)  2.00
Mg(前)  2.88 (後)  2.05
TP(前)  6.51 (後)  6.92
ALB(前)  3.83 (後)  4.04
WBC(前) 5209
RBC(前) 351.69
Hb(前) 11.11
Ht(前) 34.09
血中β2-MG(前)  25.15 (後)  4.60
ヘモグロビンA1C(前)  6.25


写真は, LDL吸着とHDFを同時に施行している所.

透析液のカリウム濃度等
2005/07/01

透析液カリウム濃度について.

現在発売されている透析液は各社各種有りますが,カリウム濃度は2.0mEq/Lのものが殆どです.2.5mEq/Lのものも有りますが,カルシウムが3-3.5mEq/L有ったりして,当クリニックでは使用できません. 当院のベースとなる透析液は,F社のカルシウムが2.5mEq/L,カリウムが2.0mEq/Lのものです. 最近低カリウム血症になる人が続出.しかも日曜日の夜に苦しくなったと言うか,脱力感が出現した人も. 高効率透析が裏目に出た形です.

という事で,院内でブレンドしてカリウムを2.5mEq/Lにしました.

因みに,カルシウムも以前は2.75mEq/L(計算値)にしていましたが,今は2.65mEq/L(計算値)測定値で1.29±0.027 mmol/L程度です.

ついでに,重炭酸イオン濃度は,26mEq/Lに設定しています.
透析医,CEもまだまだする事が沢山有りまっせ.

写真はモルセップの使用前と,使用後です.

透析液の温度について
2005/06/23

透析液温度について

体温について

体温には二種類有ります. 普段,腋窩などで計測する体温は本当の体温よりも0.5-0.8℃低くなっています.
本当の体温とは,核心温度ともいわれ,体内の温度です. 
核心温度の正常値は37.2-3℃です. 
体外からは鼓膜の温度,直腸,膀胱内の温度を測定する事で核心温度を測定する事が出来ます.

血液の温度は核心温度と同じ,37-37.3℃が正常値です.

透析液温度について
過去の歴史の中で透析液の温度設定は低めにする事が常態化していました.特に夏は冬よりも一層下げられる事が多かったようです.
理由として
@ 体温と核心温度(血液温度)の勘違い.
A 透析液温度が低い程血圧低下がおこり難い事がある. あえてこの手法を取る場合も有ります.
B 不勉強な医療者による押し付け.知らないうちにそうなっていた(一番多い?).
C なんとなく,あるいは習慣で(Bと一緒の理由).
 

透析液温度が低い場合の不都合

@ 血液が不必要に冷やされるため体内ではその分余計な熱産生を強いられる.
A 余分な熱が奪われない様にするために血管が収縮し,血圧が上昇する. 
B 末梢の血液循環も悪くなる可能性が有る. このため正味の毒素の抜けが悪くなる可能性が有る.にくくなる. 
C 下肢痙攣等が起こりやすくなる可能性が有る.
D ダイアライザーと血液の間で温度差が生じる事で,透析効率が悪くなる可能性が高い.
E 血液が凝固しやすくなる.


オンラインHDFの場合

当院で施行しているオンラインHDFの場合,大量の透析液を血液内へ注入する事と同じ作業を行っています.また,透析効率も一般的なHDよりもはるかに大きくなっています.
このため,
@ 透析液の組成が体調に与える影響が普通のHDよりもかなり大きいと考えられます.
A 透析液温度も,強い影響を与える可能性が高いと考えられ,特に体の小さな人・高齢者では影響が大きいでしょう.

また,透析液回路,血液回路とも空中で冷やされますので,設定温度よりも一層温度が下がります. このため,当院では特段の必要性がない限り,透析液温度は37-37.5℃の範囲に設定します.夏季等に極端に暑さを感じるような場合は,個別に対応しますが基本的には36.5℃よりも下げない事とします.

6月の検査 
2005/06/15

BUN(前) 64.7
BUN(後) 14.7
Cr(前) 10.2
Cr(後) 3.0
UA(前) 7.8
UA(後) 1.6
Na(前) 140.1
Na(後) 139.0
K(前) 5.2
K(後) 3.1
Cl(前) 103.3
Cl(後) 102.2
Ca(前) 9.1
Ca(後) 9.3
IP(前) 5.5
IP(後) 2.0
Mg(前) 3.0
Mg(後) 2.0
TP(前) 6.5
TP(後) 7.1
ALB(前) 3.8
ALB(後) 4.0
TC(前) 135.9
HDL-C(前) 51.5
LDL-C(前) 71.1
RBC(前) 348.0
Hb(前) 10.8
Ht(前) 33.5

主な所だけ. コレステロールが低いのは,塩酸セベラマーが多いからでしょうね.

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